話を大会に戻そう。
この大会はラウンドロビン形式。
予選は総当たり戦で、上位が決勝トーナメントに進む仕組みだ。
予選は4人でひとつのグループ。
試合は4ゲーム先取で行われ、レゴは2勝1敗。
僅差で敗れた試合もあったが、内容は悪くない。
ラリーも続くようになり、ようやく「テニスの試合」らしくなってきた。
そして2位通過で決勝トーナメントに駒を進めた。
いよいよ決勝トーナメント。
予選各組の1位・2位、計8人による6ゲーム先取のトーナメントだ。
――レゴの1回戦の相手は誰だろう?
運営席の横に貼り出されたドロー表を見に行くと、レゴの名前の横に「マリ」の名前があった。
――これは厳しいなあ。
私の心配をよそに、レゴはやる気満々で素振りを繰り返していた。
マリの強さをまるで理解していない様子だったが、それはそれでいいのかもしれない。
マリは予選をすべて4-0で勝ち上がっていた。
圧倒的だ。
強烈なサーブに、鋭いリターン。
ほとんどの試合が2球で決まってしまう。
試合開始。
運営席に座っていたコーチが、コート脇まで見に来ていた。
マリの試合をしっかり観るためだろう。
マリのサービスゲーム。
レゴはサーブ4球すべてまともに返せず、あっという間に1ゲームを落とした。
――これはちょっとやばいかも。
続くレゴのサービスゲーム。
羽子板のような頼りないサーブでは通用せず、ここでも1ポイントも取れないまま第2ゲームを落とす。
ようやくポイントが入ったのは、マリのダブルフォルトやリターンミスのときくらい。
まともなラリーにはほとんどならず、試合は一方的。
レゴは0-6で敗れた。
コーチは第4ゲームあたりで、すでに運営席へ戻ってしまっていた。
試合後、コートから戻ってきたレゴは言った。
「あんなボール、初めて」
「マリ、強すぎ」
悔しさはあまり感じられない。
むしろ満足そうだった。6ゲームの試合を最後までやり切ったのは初めてで、それが嬉しかったのだろう。
帰りの車でレゴはぽつりとつぶやいた。
「あんなボール、どうやって打てるようになるんだろう」
その言葉を聞いて、私は選手クラスにますます興味を抱いた。
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